輸入VHS
「Edward Hopper THE SILENT WITNESS」
A Film by Wolfgang Hastert

人の通りが途絶えた深夜の街に、唯一光を溢すダイナー。
そこには年老いた店員とカウンターに座る訳ありの男女。
少し離れた席には一人の中年男性が…。
エドワード・ホッパーの作品の中で最も著名な《夜更かしの人々》の光景。


代表作「夜更かしの人々(原題:Nighthawks)」 *なんとこの絵の作成年は1942年です!
深夜、外からガラス張りのカフェを眺めた画面には4人が描かれています。
気分はちょっとハードボイルドで、まるで映画のワンシーンのように妙に気になる絵ですね。
まるで深夜のコンビニのような寂しい大都会の情景で、大都会の空虚、倦怠、寂寥、孤独、疎外、喪失、哀愁などといった主題が描かれています。
異様なほど透明感があり、とても明解な構図、色使いです。
ホッパーに対する一般的な認識は「現代・都市(アメリカ)の孤独を描いた」というものらしく、 確かに「孤独」という心象風景として観ることが出来る作品です。
彼の作品に登場する大都会に生きる人々は、一様に無表情で、互いに言葉を交わすこともなく、 視線すら合わせることはめったにありません。
都会の夜、「人工の光」の中にぽつんと置き忘れられているような重たい孤独を抱える人々に対する「人工の光」。
光の向こうには何かがありそうで見ている者に不安感を抱かせる。
人物は顔があるのに存在感がまったく感じられない。
現実のようでいてどこか虚ろで夢の中の風景のようでもある。



映画のワンシーンのようなビスタサイズ・フレームを構成したエドワード・ホッパーの作品
「Nighthawks」は、数々の映画作家や画家に影響を与えている。



80年代に一世を風靡した画家マーク・コスタビも、
「ナイト・ホークス」の完璧なパロディ作を手がけています。

「エンド・オブ・バイオレンス」
監督:ヴィム・ヴエンダース 1997年度作品 ドイツ映画
「真昼」(1949年)



しかしながら、そのような寂しい大都会の情景を好んで描いた彼の絵ですが、 その一方では多くの場合そこに非常に明るく暖かい陽の光が照らしていることです。
青年期、パリで描いていたのは昼の太陽の光「自然光」だった。
ホッパーはニューイングランドにある芸術村、アーティストコロニーに別荘を構え、海岸や家、丘を描く。
その映し出される光のなんと温かなことか。
ある意味リアリストである彼が、作品の中で終生求めてやまなかったのは「光」です。


「朝の日ざし」(1952年)



その後、20世紀の大都市へと大きく変貌していくニューヨークの風景、ニューヨークの片隅、 劇場、公園、カフェなどと、そこに住む孤独な人間の横顔などを題材として、 当時のアメリカをありのままに描き、ホッパー独特な寂寥感、孤独感の漂う絵画芸術を描き続けた。


「哲学への旅」(1959年)




この生涯を貫く彼の徹底したリアリズム絵画は、都市の猥雑でエネルギッシュな姿よりも、 都会の孤独な人物、人のいない風景、室内の女性、灯台や静かな海辺のヨットなど、 静寂で内省的な情景を独自の詩情をたたえながら描き上げている。
晩年の彼は太陽光や人工の光を超えた、「超自然の光」を描いたに違いない。



最後にホッパーはこのように言っています。

「私にとって様式、色、形態は、むしろ目的のための手段、私が制作するために使用する道具であり、それ自体は私にとってなんら興味の対象ではないのです。私がもっとも関心を抱いているのは、経験と感情という広大な分野であり、文学にせよ純粋に作意的に指向された美術にせよ、これに取り組んでいるものはありません。(略)
絵画において私がめざしていることは表現手段として常に自然を用いることで、私が最も対象を愛したとき、つまり事実が私の興味やあらかじめ想像したものと一致したとき、その対象のあるがままの姿に対する私の最も内なる反応をキャンバスに投影しようと試みることなのです。何故私が、ある特定の対象を他のものからより分けて探しだすのか、 それは私自身にもはっきりとはわかりません。
ただ、恐らく私の内的な経験を統合するのに、それが最高の表現手段なのだとおもいます」

あなたも私も「夜更かしの人々」でしょうか....?。
「夜更かしの人々(原題:Nighthawks)」はエドワード・ホッパー1942年の作成です。
この深夜のコンビニ感は時代を予見してるようで凄いナと思います。
あと昔TVで観た「地下街の人々」(The Subterraneans (1958))という映画も印象に残ってます。
原作はジャック・ケルアックです。
時代が信じるに値する明確な価値観を喪失しハードボイルドの終焉を迎え、 ビート・ジェネレーション〜ヒッピームーブメント〜カウンター・カルチャーへ..って感じなんでしょうか?
私の精神史においてはそうでした。



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